NEW SHAMAN

まだ入荷からわずか2週間の新シャーマン。

オレンジとブルーのコントラストが今モデルで逆転、ブルーを基調としたものになり、かなりクールな雰囲気となりました。
大きな変化としては、3本のベルクロが大きく後退、そして大型のラバーパッチが追加。

自前の旧シャーマンと比較。ちょっと幅広になりましたね。

他のシューズと。



大きな変化もう一つ。スリングショット部のオレンジパーツ。これかなり柔らかいです。

これがこの新シャーマンを旧型と全く別物のようにならしめています。
靴全体がすごく柔らかに感じる。
ここが柔らかいことで、トゥフック時に足を上に反らせる動作や逆にグイッと下方向にかき込む動作などが起こしやすい。
つまり足使いの自由度が高まるわけです。
代わってヒール。スリングショットのテンションは旧型より少し抑えられている感じ。

後で履いてみた感じだとヒールの幅はほぼ同等かな。しかしここも少し柔らかめになっています。

シャーマンと言えばつま先にこだわりあり。
足のつま先が立った状態を無理なく維持するナックルボックスと呼ばれる先端部分。

旧型の後期バージョンはこの厚みが抑えられ、自分としては納まりがあまりよくなかった。
抑えが効いている分、立ちこみ系はめっぽう強かったですが。
新型はそのボックスの厚みが復活(メーカーアナウンスでは薄くなったとのことですが、そうかなぁ?)。
そしてそのナックルボックスと対をなすラブパンプ。

これは、先端からちょっと中に入ったところのミッドソールが盛り上がり、立ったつま先の力をしっかりホールドに伝えるというシステム。
こういった立体成型のミッドソールの採用は、別にシャーマンに始まったことではないのですが、ここまで極端なものは今までになかったため、発売当初は結構センセーショナルではありました。
さて、足を入れてみました。

まずは驚くほど『快適!!』。
少し幅広になったためか、足入れがすごくスムーズです。
そして、外から見た分にははっきりとわからなかったですが、旧シャーマンより若干ターンインが強くなっているようです。
後退したことにより細くなってしまったベルクロも拘束力は十分で、ガシッと装着したような感覚。
ラブパンプも旧型に比べるとかなりナチュラルになった印象。
その窪みはあるべくしてあるといった感じで、違和感は全く感じません。
足幅的な感覚で一番近いのはインスティンクトVSかな。
でも3本締めで調節自在なこともあって、こちらがかなり快適に感じます。
というわけで、短期間ながら、岩場(ルート)でのインプレッション。

ナチュラルで履きやすくなってもやはりシャーマン。あのつま先は健在でした。

石灰岩特有の細かくてしかもツルツルしたフットホールドでもしっかりグリップ。
特に強傾斜ではある意味反則的なかき込み力で、足をきらさずしっかり残してくれます。
あるルートで次のホールドを保持した瞬間、反対の手が外れてしまい、しかしそのとき苦し紛れに出した足がピタッと止まってくれたことがありました。
柔らかくなっている分、延々とスラブ(90°以下の壁)が続くようだと少々足が疲れる感じでしたが、オレンジパーツの軟性が高いので、つま先の動きの微調整もやりやすい印象。
ヒールも良好です。
つま先同様柔らかめに仕上げられているので、フックした時も「かかった!!」という感覚を常にキープしながら登っていけます。

形もいいので力が逃げない。
ただ、柔らかいヒールはその特性上、足型との相性が出やすい。
ヨーロッパ系のような剛性を求める方には旧型の方がいいのかも。
トゥフックに関しては、ルート中で小技程度に使ったぐらいでしたが、旧型のような「もうちょっとぐらいは…」的なことは感じませんでした。
何よりハイエンド的な位置づけのモデルがここまで快適に履けるということが素晴らしい。
快適に履ける ⇒ 長く履ける
なので、マルチピッチのロングルートなどにもおススメできると思います。

春は新作のラッシュですが、一番手からスゴイのが出てきました。
2足目、3足目の選択肢にぜひどうぞ。
履かせて~
