VXi

先日入荷したTEAM VXi。
昨年9月の展示会で初めて目にしたのですが、今回の入荷で実際に履いて登ってみて、概ね展示会で持った印象どおりだと感じました。
名前の通りTEAM 5.10の派生モデルで、見た目も似ているわけですが・・・





共有パーツといえばストラップぐらいで、ダウントゥの度合やベルクロ位置、開口部の広さ、ラバーパーツの面積、量など、細かく見ていくと全く別物に仕上がっていることがわかります。
また、ベルクロの返しをプラパーツにしたり、アッパー素材に耐久性と軽量に優れたクラリーノを使用するなど、徹底した軽量化も図られています。
そして異常なほどに柔らかい。
ソールはもちろん、ヒール、ランドなど、全てにおいてグニャグニャ…を通り越してフニャフニャ。

そっち系のシューズは今まで数多く出てきましたが、その中でもVXiは群を抜く柔らかさです。

これら特徴は、とにかく足使いの自由度を最優先した結果。
文字通り、素足感覚での登りを可能にしてくれます。
が、逆に言えばシューズの造りとしてのサポート性はさほど期待できないため、使いこなすにはそれなりの技量も必要。
…なのですが、それを後押しするために半ば反則的なものが使われています。
それが、新開発ラバー『ステルスMi6』。

このラバー、ヤバいです。
ガラスでも滑らないという触れ込みだけあって、異次元的なフリクション。
デュアルテクスチャーホールドの鏡面部分でもしっかりグリップ(もちろんそれなりに足指も使います)。

そして甲をガンガン反らせられるので、比較的扁平なアッパーとも相まってトゥフックも最高!!

ヒールは若干浅目で、またTEAM5.10にあった逃げ部分がありません。

しかしシェイプは非常によく、吸い付くようにフィット。
ソール同様ダイレクトフィーリングで、ホールドを舐めとるようにフックできます。
ただし、先述のようにヒールも非常に柔らかいため、利かせるホールドによっては痛みを感じる場合もあり。
無駄のない、軽量なつくりによる自由自在な足使い。
それをMi6ラバーが強力にサポート。
このラバーなくしてこのVXiは完成しえなかったのだろうと思います。
以前ROCK&SNOWで、あるクライマーが理想のシューズとして『裸足により近い、足をゴムで包むだけみたいなもの』というものを挙げていましたが、このシューズはまさにそれと言えるのかも。
適正サイズですが、TEAM5.10と同じか、ハーフサイズぐらいなら下げてもいいかもしれません。
このシューズの場合、足指ががっちり固まってしまうサイズだと、その特性を生かせないので、ほどほどに。
今回入ってきたサイズはUS7~9がそれぞれ数足ずつ。
・・・でしたが、4月からの価格改定の波もあって一部サイズは瞬殺で消え、残るは7、8.5、9のみ。

が、近日中に追加入荷いたしますので、欲しいサイズがなかった方もご心配なく。
ただし、その追加入荷後の再入荷については未定となります。
万人向けとは言い難いシューズですが、「自分の足を使いたい!!」という方はぜひどうぞ。
おもしろいですよコレ。